このコラムでは、日々流れ弾のようにエンカウントしてしまう古い価値観の言葉「#モヤモヤワード」に対し、スカッと令和的に打ち返す言葉「#レイワード」を提唱していきます。

前回コラムが思いのほか多くの方に共感していただき、みんな日々モヤモヤしながらどっこい今日も生きてんだな、と大変心強い思いがしました。みんな〜〜私たちはひとりじゃないぞ〜〜〜！

ここに挙げるモヤモヤワードは私が実際に言われた言葉でやっていくつもりですが、幸か不幸か当分ネタが尽きる気配がないのでまだまだお付き合いいただけたら嬉しいです。
さあ、時代の空気を入れ替えるお時間ですよ〜！

＃モヤモヤワード「強い女こわ〜」

ちょっと前、男女何人かがいる飲み会で男の人に「強い女こわ～。俺そういう女嫌いだわ〜。」って言われたことがありました。
話の内容は全く覚えていないのですが、多分私がその人とは相反する自分の意見を言った流れからだったと思います。
このときの「強い女こわ〜」には、「お前のような女は可愛くない」「そういう女はモテないぞ」というニュアンスを感じて、私はたいそうムカついたのでつい（お、決闘-デュエル-か？？？）となってしまい「私もそういうこと言う男は嫌いだよ！」と言い返してしまいました。その場は「いいぞもっとやれ〜」みたいな感じで笑いに変わってうやむやになってしまったのですが、今思うと彼がそんなことを言った理由と、私が返すべき言葉はもう少し考える必要があるのかも？と思います。

そもそも強い女ってなんだ？

よく耳にする「強い女」ってどんな人のことを言うのでしょう？自分の意見を主張したり、一人でどこへでも行けたり、嫌なことには反論したり、男に媚びない、そんなところでしょうか。
こういう要素を男性に置き換えるとどうでしょう？むしろ芯があってかっこいい、ポジな印象になると思うのですが、女性がこれらの要素を持つといわゆる「強い女」になり、「ちょっと俺たちタジタジしちゃうよ～こわ～つかそんな怒んなよ可愛くないな〜」となってしまう。ああ〜モヤモヤする〜！

　自分の意志にしたがって生きているだけなのに、みんな同じ「強い女」というモンスターみたいに括られて、主張してる内容と関係ないところで可愛くないとか嫌いとか言われるのはちょっとやってらんないですね。この前実写版「アラジン」を観に言ったらジャスミン王女も全く同じこと言ってました。ジャスミンとバイブス合うわ〜。アラジン、超よかったのでぜひ観てください。

どうしてそういうこと言うんだろう？

だけど、そもそもどうして「強い女」に当たりが強い世の中なんでしょうか。
彼がどうしてああいうことを言ったのか、あの飲み会からしばらく経って考えるようになり、一つの仮説にたどり着きました。「強い女dis＝防衛反応説」です。

そもそも、私たちの育った社会では多くの場合、男の人が女の人に言い負かされたり、追い抜かれたりすると「女々しい」とか「情けない」とか言われてしまいがちです。
直接言葉で言われなくても、何となく「弱い男」「劣った存在」として見られたり扱われたりする。（そもそも「女々しい」が劣った存在を指してるのどうなの問題に関してはまたの機会に）
男性が社会から押し付けられている「ずっと強くないといけない」「女に負けてはいけない」というプレッシャーは重く、男性は男性で結構なハードモードです。

そんな世の中なので、自分の男としての立場を脅かしそうな女を「怖い女」「強くて引く女」「モテない女」と呼んで無力化させようとするのは、男の人が自分の立場と尊厳を守るための防衛反応なんじゃないかと思うのです。

「強い女dis」は世の中が男の人に「女よりも強くあるべき」と押し付けてきた結果なのだとしたら、彼は彼で私の知らない生きづらさを抱えているのかもしれません。

＃レイワード「一緒に強くなろうぜ」

強い女の構成要素である「自分の意思を主張」、「一人でどこへでも行ける」、「媚びない」とかって人間が現世をサバイブするのに必要な力で、持っていたら男女関係なく褒められるべきアイテムだと思うんです。現世はなかなか厳しいよ！？丸腰でどうする！

だから、そういうアイテムを持っている人が女だったからといって「自分の立場を脅かす敵」とみなして敬遠するのではなく、むしろ一緒に現世をサバイブしていくのに心強いキャラが現れた！と思って欲しいのです。「すごいね、その技どうやって覚えるの？」とか「いえいえそちらこそ！そのイケてる武器はどこで手に入るの？」とか褒めあって教えあって、また弱点は補いあって生きてく方がお互い心強いと思うのです。



戦闘力高くて褒められるのが人類の半分だけで、もう半分は何の意見も言わないし一人じゃ何もできないけどそれが良しとされてるとか不安しかないと思いませんか？

今度「強い女こわ〜」って言われたら「君も一緒に強くなろうぜ！」って言えたらいいなあと思っています。
強い女はあなたの敵じゃない。そして弱いところもある。毎日悩みながら生きている、あなたと同じ人間です。
強い女を「女のくせに生意気だ」「可愛くない女だ」とdisるんじゃなく、その主張そのものや、意見を言う強さの本質を見てほしい。考え方の合う合わないはここでは関係なく、意思を主張する個人として対等に話し合い、その強さを讃えあえる関係になりたいのです。そういう強さをみんなで高め合っていきたいのです。

一緒に強くなったら、世界のいろんなものを一緒に背負っていける。そしたら、それぞれの弱さも補いあってやっていける。男の人だけが強くなくちゃいけない時代も、女の人が強くなったらいけない時代ももう終わったので、一緒に強くなったらいいと思います。男も女も生きてるだけでハードモードな現世なら、そっちの未来の方を選ぼうよ。性別に関係なく一緒に、この世界を生き抜いていこう。

編集：辻愛沙子