「日本人初の女性総理は、
きっともう、この世にいる。」
牧野圭太
2019.06.16

ときどき、僕は「フェミニスト」と呼ばれることがあります。確かにSNSなどで「女性が直面する社会問題」について触れることは多いかもしれません。

僕がそういった「問題」を、「リアル」に感じるようになったのは、30歳で自分で会社をつくり、女性の社員を多く雇用するようになってからです。

当たり前ですが、同じ会社で仕事をしていると、多くの時間を一緒に過ごすことになり、
上司として悩みや問題ついて話を聞くこともあります。

そこではじめて「あぁ、今の社会は、こんなにも男女の不均衡で溢れているのだ」と実感することとなりました。

逆に言えば、それまではほとんど無自覚だったとも言えます。

なぜなら、それらの「不均衡」は、僕にとっては決して「不利益」ではなかったからです。人は自分の不利益や不都合は覚えているものですが、逆は覚えていないものですね。

例えば、女性に訪れる生理もそうです。
「一月に一週間ほど」も「体調が万全ではない」状態がある。それがどれほど痛く苦しく、それを抱えながら仕事をすることがどれほど大変なことなのか。ちょっと想像してみるだけでも辛いことだろうなと思います。

僕なんて、ちょっとお腹が痛いだけで、企画なんて考えられなくなります。

そして「出産する」となると「仕事から離れる」期間が必ず存在してしまいます。経営者であり、ワーカホリックな自分からすると、とてもつらいことです。正直「数ヶ月仕事から離れる」というのは、やっぱり怖いです。


さらに、今のビジネス社会は「男性主導」です。

例えば「上場企業の役員は女性が4%」しかいないし、国会議員だって10%ほどでかなり低い数字です。男性の皆様、「仮にこれが逆だったら」と想像してみてください。つまり「社会のマネジメントがほとんど女性」の中で果たして「男性である自分がパフォーマンスを発揮できるだろうか」と。

僕の想像するに、それは決して簡単なことじゃありません。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ビジネスにおける女性の可能性」


そういった「男女の不均衡」はできるかぎり解消したいと思っているわけですが
確かに僕はそれ以上に「女性を贔屓」する傾向があります。それには僕なりの仮説があります。

(仮説1) 今、社会は劇的に変わってきている。不均衡への意識に変革が起きはじめている。
(仮説2)「ビジネスマーケットにおける女性の希少価値」は確実に存在している。

世の中には「女性マーケット」がたくさんあります。
「百貨店の一階」は「女性向けの化粧品」が大半だし
旅などのアクティビティも女性のほうが積極的です。

それにも関わらず、それらのマーケットさえも男性が主導してつくってきました。
女性という「男性とは別の種」によるビジネスはまだまだ手付かずで残っている。僕はそこに大きな「可能性」を感じています。

映画PADMANの中にこのようなスピーチがでてきます。(この映画おすすめです)
---------------------------------
僕は次の世代についてこんな風に考えています。
男性が力を持つ世界ではなく、
女性たちがリーダーシップを取る世界を見てみたい。
女性を支えて、力を発揮してもらう。
そしたら、世界そのものの色が変わり、
すごく美しい色を持った世界に
なるんじゃないかと思っているんです。
---------------------------------

僕も心から同感し、賛同します。

今の男性主導ばかりの社会から、女性主導が増えていけば、
きっと様々な変化が起こるでしょう。
より美しく、より優しく、よりしなやかな社会になるだろうと想像します。
もちろん、すべてが変われということは全くなく、
よりバランスの取れた社会になってほしいという希望です。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「日本人初の女性総理は、きっともう、この世にいる。」


これは、奈良新聞社“国際婦人デー”の広告で、コピーライターの西島知宏さんが書かれたものです。
「そうかもしれない」「自分かもしれない」と想像力を掻き立ててくれる素敵な広告です。

ちかごろ女性にまつわる社会問題に関して、「議論」が生まれてはときに「賛否」を生み、ときに「炎上」しています。
それらを見て「社会はどんどん悪い方向に進んでいる」と言う人をたまに見かけます。
きっとそうではなく、むしろ逆で、それほどまでに「社会全体がそれらの問題にちゃんと目を向けるようになった」証拠です。

見渡せば、女性の素晴らしい経営者や起業家も増えているし、
うちの会社のメンバーも女性の活躍が著しい。

ある意味では、僕は「女性の可能性」に賭けている経営者です。
まずは、自分の周りから、その流れを加速していきたいと思います。
女性がつくる新しい社会に心を躍らせながら。

日本人初の女性総理は、きっともう、この世にいる、と信じながら。

ライター:牧野圭太

Share
Profile

DE 共同代表 | 博報堂(09-15) 文鳥社(15- )カラス(16-20) 2021年からDE Inc.やってます。DE="脱"がテーマです。「広告がなくなる日」執筆。 #from_outland というメルマガを細々とやっています。

© 2022 Ladyknows. All rights reserved.
お問い合わせ :ladyknows@arca.tokyo