レペゼン地球の炎上プロモーションで僕が感じたことを書きたいと思う。
先日、YouTuberのレペゼン地球が新曲のプロモーションでセクハラパワハラ告発を自作自演して問題になった。レペゼン地球と自作自演に加担した女の子はもちろんのこと、MVに関わったマキシマムザホルモンも叩かれて、そしてSNSで今回の件に関してレペゼン地球を賞賛したインフルエンサー達も激しく叩かれた。
日本で#metooというハッシュタグでセクハラパワハラ告発がされる様になって2年が経つ。今まで被害に遭って泣き寝入りしてきた人達がSNSという場で多くの人に訴えかけられるようになったことは画期的だと思う。セクハラパワハラの加害者たちも一人の告発ツイートで社会的立場と職を失う可能性があることを理解し始めた。本来ならば「そもそも人が嫌がる事はやめろよ」と思うが、そんなことを言っていてもセクハラパワハラ被害は一向に減らないので、SNSでの告発が抑止力になればよいと思う。
そんな雰囲気が出来上がりつつある中で起きたのが今回のセクハラパワハラ自作自演炎は今まで#metooのことを真剣に考えてきた人達にとっては「ふざけるのもいい加減にしてくれ」という気持ちになったはずだ。
今までも#metoo告発があるたびに「売名行為ではないか?」と告発者が謂れの無い批判を浴びて、セカンドレイプの被害に遭ってきた。今回の自作自演の告発により次の勇気ある告発者が疑いの目で見られてしまう可能性を考えると胸が痛む。それらを踏まえた上で感じたことを振り返っていきたいと思う。
ことの発端となった偽告発のツイートを見た瞬間に僕は「嘘の可能性があるな」と感じていた。こんなことを書いてしまうとセカンドレイプの加害者になっているようで心苦しいのだが、今回の事に限らずツイッターで流れてくる情報は自分なりに調べて「本当に正しい情報なのか?」と毎回精査している。今回の場合はちょっと調べると「これはレペゼン地球のプロモーションかもしれない」ということがなんとなく予想が出来た。ツイッターを10年もやっているとそのツイートが嘘か本当か何となくわかってくる。
【リツイートする前にはリプ欄を一通り見る】っていうのは義務教育で教えて欲しいくらいSNSの基本だと思う。デマツイートの場合はリプ欄に「これはデマです」と何件も書き込みがあります。嘘やデマを最初に発信する人が一番悪いけど、それをちゃんと確かめもせずに拡散する人も責任があると思います。僕はTLに告発ツイートが流れてきた時、その発信者の事を知らない場合は、どういう人物なのか徹底的に調べる。僕はリツイートだけではなく、いいねにも責任が伴うと思っている(いいねがTLに流れることもあるから)のでそのくらいのことは意識しながらツイッターはやっている。とはいえ、今回みたいに首謀者が周りの関係者を巻き込ん本気で騙そうとしていた場合は嘘に引っかかってしまった人達を責める気にもなれない。
今回の大きな問題として挙げられる点なのだが、本気で騙そうと思う集団が現れてしまっている以上、これから告発者が出た時には情報を精査する為により多くの時間と手間を掛けなくてはいけなくなった。これから#metoo告発がされた時には、その真偽を確かめる為に今まで以上に精査するための時間を必要とされるだろう。そしてその真偽を見極められる段階で告発者はより信憑性の高い証拠を要求されるかもしれない。それは告発者の大きなストレスが伴うだろう。
さて今回の件では批判の声だけではなく賛同する人がたくさんいて、それに驚愕した人も多かったと思う。そもそもレペゼン地球というのは最低を売りにして活動しているYouTuberだ。動画を見ていればわかるのだが、とにかくアホで下品。ちなみにレペゼン地球の代表作で「YSP」という曲がある。Y(ヤリ)S(捨て)P(ポイポイ)という意味なのだが、まさにタイトルそのままの曲なのだが女性問題を真剣に考えている人達が聞いたら卒倒するレベルで酷い曲なので是非聞かないで欲しい。
2015年から活動している彼らなのだがその人気は凄まじい。YouTube動画で渋谷で100人とキスをするを企画をやった時に彼らとキスをしたいという女の子が山の様にいた。
「最低に下品でバカだけど最高に面白い」
ファン達は多分そんな風に彼らの事を思っている。もちろん過激な事をやっているのでアンチもたくさんいるが、レペ狂と言われる熱狂的なファンもたくさんいる。そして事実として女の子のファンが非常に多い。
今回の件ではこんなにtwitterで炎上して取り沙汰されていたのにも関わらずレペゼン地球の新曲MVには10万いいねがついていました。そしてファンたちは「DJ社長最高!」と褒め称えていたわけです。
レペゼン地球がいくら人気YouTuberだとしても、普段そこまでYouTube観ない一般人からしたら、どんなグループかも性格なんかもわからないですよね。ファン達が熱狂している理由もわからなかったと思います。レペゼン地球をずっとみてきたファン達としては今回の炎上もエンターテイメントとして解釈したわけです。今までレペゼン地球を知らなかった人達と、ここまでずっと彼らを見てきた人達では受け取り方が天と地ほどの差があったのです。
もちろんレペゼン地球を以前から知っている人達からも「さすがに今回はやり過ぎ」との声も上がってはいたが「最低で最高」と評価しているファン達からすれば「やってくれたぜ!」と興奮したのだと思います。
そして、そうやって賞賛を送るツイートをしていた人はたくさんいてその事が批判の対象になった。中でもインフルエンサー達がとにかく叩かれていた。
ここまで今回の件に関してどんな問題があるのか、今後どのような影響が出てくる恐れがあるのか検証してきたので、賛同者が批判される理由もわかる。
しかしここから書くことは上記のしたこととは別の視点で読んで頂きたい。
まず僕が言いたいことは「言葉は人を殺す場合がある」ということだ。今回のことでも強く感じだが正義を信じて疑わない群衆が一番怖い。今までひとつの失言によって言葉で殺されかけている人を僕は何人も見てきた。もちろん叩かれる本人にも原因はあるが、だからと言って袋叩きにしていいのだろうか。誰か(何か)を守る為なら正義の名の下に殺していいのだろうか。世の中を正すためには見せしめる為の生贄が必要なのだろうか。
僕は怒りを覚えた時ほど冷静な気持ちを忘れてはいけないと思う。なぜ怒っているのか自分の中で咀嚼して、その感情の出所をちゃんと理解する必要がある。一回深呼吸をしてなぜ自分が怒っているのか冷静に分析して「怒り」の感情をコントロールして欲しい。
決して「怒り」の感情を否定しているわけではない。怒りのパワーが世の中を変える原動力になると思うし、不正や不条理に拳を突き上げて立ち上がらなければいけない時がある。今までの歴史を振り返ってもそうやって拳を突き上げながら「NO!」と声をあげた人達がいたからこそ、良くなってきた部分もあるのだ。しかしコントロールを失った、理性のない「怒り」は人を平気で傷つけるし、殴るし、時に人を殺す。
「NO」と声をあげながら拳を突き上げることはとても大切なことだ。しかしその挙げた拳を人に振り下ろしてはいけない。言葉の暴力もちゃんと暴力なのですから。
レペゼン地球の賛同者達を擁護するような書き方をしているが、今まさに彼女達がSNSでパワハラセクハラの被害を受けている。「自業自得だ」という人もいるとは思うが、このことに関して僕は見過ごすことが出来なかった。一回ツイッターの検索ワードに彼女達の名前を入れてみてツイートを見て欲しい。もっともな批判もあるが、明らかに殺そうとしているツイートも散見できる。批判と攻撃は全くの別物だ。もし仮に自分が叩かれている立場だったらとしたら、きっと死にたくなると思う。それらの誹謗中傷のツイートを見ても尚「自業自得だ」と言うことができるのか、これを読んでいるあなたに問いたい。
僕はこのLadyknowsの連載をキッカケに社会が抱える問題や女性が直面している問題に関して日々、考えている。問題を抱えている人達のことを知り、解決の糸口をみんなで探していくのがLadyknowsの役割だと考えている。
どうかこのLadyknowsを一緒に考える人達が拳を突き上げる仲間であり、決して突き上げた拳を振り下ろす人達でないことを願っている。
この世からセクハラパワハラがなくなって欲しいと願いながらこの文章を締めくくりたいと思う。
あとレペゼン地球にはこれからは想像力を働かせて、みんなを楽しませる動画を作って欲しい。人を傷つけずに笑いを取ることはできると思います。
ライター:5歳
編集:辻愛沙子
34歳。嫁と息子2人。
嫁は可愛くて、恐ろしい。
息子達は可愛いくて、可愛い。
そんな4人家族の半径15mの生活。
嫁が快適に生活出来る事を一番に考えながら今日も僕は働いて、そして書く。
普段僕の話を聞いてくれる人はいないので皆さんが聞いて下さい。よろしくお願いします。
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